第272章 大丈夫

手術は丸六時間にも及んだ。

午後三時、手術室の扉がゆっくりと開いた。

中から一人の看護師が現れ、確認のサインを求めて藤咲花音にバインダーを差し出した。

「お祖母様は、どうなりましたか?」

花音が手術室の中を覗き込んでも、祖母の姿は見えなかった。

「患者様はすでに別の通路から、集中治療室へと運ばれました」

サインをする花音の手が、微かに震える。

「手術は無事に成功しましたよ。ただ、大手術でしたので、術後は三日から五日ほど集中治療室で経過を観察する必要があります。特に異常が見られなければ、一般病棟へ移れますからね」

看護師のその言葉に、花音はようやく胸を撫で下ろした。

サインを...

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