第285章 本当に彼が好きなの

爺さんの一言で、桐島翔太の件は事実上決着がついた。

あれほどのスキャンダルを引き起こした直後だ。いくら爺さんが温情をかけようとも、すぐさま首を縦に振ることなどあり得ない。

嫌疑者については、爺さんも確たる証拠を握っていない以上、手元に置いて監視し続けるしかなかった。

一同がこれで一件落着かと思った矢先、再び爺さんの低く重い声が響き渡った。

「昨日のあれほどの大騒ぎだ。別の大きな話題で揉み消す必要があろう」

その威厳に満ちた鋭い眼差しが、桐島征十郎へと向けられる。有無を言わさぬ口調だった。

「お前の結婚か、でなければ私の葬式か。そのどちらかだ」

桐島征十郎の眉間が、険しく寄せられ...

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