第302章 鎖に繋がれた手

若林勝則は否定しなかった。

祖母は自分の推測が当たったことを悟る。

直後、電話の向こうから久しく聞いていなかった桐島征十郎の声が響いた。

「藤咲のお祖母様」

桐島征十郎の呼びかけは、絶妙な距離感を保っていた。

祖母は小さくため息をつく。

「また、あなたに迷惑をかけてしまうね」

桐島征十郎は低い声で応じた。

「彼女は必ず無事に連れ戻します」

祖母は答える。

「ええ、分かっているよ」

こんなことは、もう初めてではない。

皆は隠しているつもりでも、祖母には痛いほど分かっていた。これまで藤咲花音が連絡を絶つたび、彼女を探し出してくれたのはいつも桐島征十郎だったのだ。

あのリ...

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