第31章 私が言っているのは君だ

病院は朝一番から、すでに人いきれで溢れかえっていた。

藤咲花音は事前に予約を済ませていたため、到着するとすぐに診療科へと足を運んだ。

主治医はいつものように問診を行い、病状を確認すると、一枚の伝票を彼女に手渡した。

「レントゲンを撮ってきてください」

藤咲花音は素直に頷き、伝票を持って会計を済ませると、検査室の前で順番待ちの列に並んだ。

もうすぐ自分の番が回ってくるという時、バッグの中でスマホが震えた。

鈴木舞からの電話だった。

張本社長が自分に連絡を取ろうとしているのかと思い、藤咲花音は通話ボタンを押した。

「花音姉さん、今どこにいるんですか? 姉さんのあの追求者って、まさ...

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