第312章 人助けは最後まで

大学院入試が目前に迫る中、藤咲花音はわずか一週間の入院を経て実家へと戻った。

社宅に戻ってからというもの、祖母の花音に対する警戒ぶりは尋常ではなかった。

病院にいた頃よりもさらに厳しくなっている。花音がゴミ捨てのために一階へ降りるだけでも、祖母はわざわざその姿を見送り、時間を計っていた。少しでも戻りが遅くなれば、花音を捕まえて根掘り葉掘り問い詰めるのだ。

数日が過ぎる頃には、花音もすっかり疲れ果てていた。いっそのこと、祖母に呼ばれない限りは自室に引きこもることにした。

だが、それでもやり過ごせない。

祖母は時折ドアを開けて様子を窺いに来る。花音が部屋で桐島征十郎と電話をしているので...

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