第315章 夢の中

彼女にしか贈れないプレゼント?

桐島征十郎はその意味深な言葉を残して、さっさと立ち去ってしまった。藤咲花音がいくら問い詰めても、一切口を割ることはなかった。

おかげで、藤咲花音は帰り道ずっとそのことばかりを考えていた。

家に着いても、まだ上の空だった。

祖母の声に、彼女はハッと我に返った。

「どうしてこんなに遅かったの? 試験会場は近いって言ってなかった? 昨日はこんなに遅くなかったのに」

藤咲花音は思考を振り払い、あらかじめ用意していた言い訳を口にする。

「受験生が多すぎて、全然タクシーが捕まらなかったの。やっと乗れたと思ったら、今度は渋滞に巻き込まれちゃって」

祖母はまだ...

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