第328章 実の娘

一条裕也は祖母の異変に気づいていたが、それを顔に出すことはなかった。

「ええ。お祖母様は一目で生来の美人だと分かります。花音さんは確かにお祖母様似ですね」

その言葉に気を良くした祖母は、またしても彼を夕食に引き留めようとした。

一条裕也は軽く笑って立ち上がる。

「食事はまたの機会に。いずれお祖母様の手料理を味わいに伺いますよ。今日は合間を縫って来ただけで、まだ仕事が残っていますから、これでお暇します」

祖母はひどく名残惜しそうにした。

「それなら、次は絶対に食べていってちょうだいね」

一条裕也は快く頷いた。

藤咲花音は彼を階下まで見送った。

「一条社長、今日は一体何をしに来...

ログインして続きを読む