第332章 まず君に問いただす

人々は呆然と桐島征十郎の去りゆく背中を見つめていた。彼がホールを出て行くまで見送った後、その視線は再びお爺様たち一行へと向けられた。

お爺様の顔色は青ざめていた。

「お爺様……」

竹多里恵はすがるような目を彼に向けた。

お爺様は我に返ると、すぐさま気を取り直し、きびきびと振り返って再び壇上へと上がった。

壇上に立つ頃には、その顔にすでに場をわきまえた笑みが浮かんでいた。

「征十郎は体調が優れず、先にお暇させていただきました。皆様、どうかお気になさらず」

手短に釈明の言葉を述べる。

真偽はどうあれ、客席から異議を唱える者は誰もいない。

ただ、時折奇異の目を竹多里恵に向ける者が...

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