第342章 本当に何でもない

藤咲花音が返信するより先に、佐々木舞がひょいと顔を寄せてきた。

石野幸治からのメッセージを見た舞は、鼻で笑って肩をすくめる。

「ほらね、カノン姉さん。やっぱりこの後輩、下心あるじゃん。行くか行かないか聞きたいなら、素直に聞けばいいのにさ。『カメラがどうの』って回りくどい」

唇を尖らせ、あからさまに嫌そうな顔をする。

「こういう小細工する男、いっちばん嫌い。男らしくない」

花音も、彼の狙いがどこにあるかは察していた。けれど、別に悪いことだとは思わない。

「……照れてるだけかもしれないよ」

一言、かばうと、舞は変わらず不満げに鼻を鳴らした。

花音は石野に返信する。

「いいよ。明...

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