第343章 君も頑張れ

石野幸治が意気揚々と彼女たちの前へ駆け寄ってきた――が、藤咲花音の隣には、もう一体「大仏」が立っている。

彼の笑顔が一瞬だけ引きつり、それでもすぐに何事もなかったように整えられる。とぼけた調子で言った。

「先輩、友達も連れてきたんですね」

そう言いながら、石野幸治は桐島征十郎へ自分から手を差し出す。

「どうも。前に試験会場の外で、一度お会いしましたよね」

口ぶりは、桐島征十郎を佐々木舞と同じ「ただの友人」扱いしている。

藤咲花音は思わず眉をひそめた。

石野幸治は、彼女と桐島征十郎の関係をもう知っているはずなのに――。

「どうも」

桐島征十郎は手を伸ばし、短く握って、すぐに離...

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