第353章 父子相討つ

桐島昌英が振り向き、その視線が藤咲花音の顔に落ちた。

藤咲花音は、ぞくりと背筋を撫でる寒気を覚える。

次の瞬間、桐島昌英の手にいつの間にかナイフが現れ、その刃先がまっすぐ彼女へと突き出された。

「今すぐ送ってやる。親父とお袋のところへな!」

桐島昌英が喉の奥で唸る。

藤咲花音は身を引こうとした。けれど左右から男二人に腕をがっちり押さえつけられ、逃げることもできない。ただ、迫り来る刃を見つめるしかなかった。

遠くで、桐島征十郎もまた、桐島昌英が最後にここまでの“道連れ”を選ぶとは思っていなかった。

征十郎は大股で駆けた。

だが二人の距離が近すぎた。ほんの一瞬で、刃先は藤咲花音の...

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