第354章 健康診断

桐島の本邸。

桐島征十郎が玄関をくぐった時点で、祖父はすでにリビングで待ち構えていた。

二人の姿を認めるなり、祖父は片手を軽く上げる。

「座れ」

それぞれ向かいの一人掛けソファに腰を下ろす。

「今日の件はすべて把握している。今日から桐島グループは、引き続き征十郎に任せる」

そう告げると、祖父は威圧するような目で桐島昌英を見据えた。

「昌英。征十郎に謝れ」

――たった一言の謝罪で、全部水に流すつもりなのだろう。

祖父は昔からそうだった。

次男が死んだ時だって、死因を徹底的に追及しようとはしなかった。祖父にとって重要なのは、誰の命でも真相でもない。桐島グループ、それだけ。

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