第358章 登堂入室

一条裕也は人を連れて近くを一通り探したが、どこにも姿はなかった。

自宅の防犯カメラを確認して、ようやく分かったのは――一条夫人が朝早く、こっそり一人で家を出ていたという事実だ。外出したきり、戻っていない。

もう一時間以上になる。

一条裕也が何度電話をかけても、出ない。

裕也はすぐに父へ連絡した。

一条和成が真っ先に戻ってきて、父子はそれぞれ人手を割き、A市じゅうを駆け回って捜索を始めた。

そのころ――。

A大の家族宿舎。

藤咲花音が目を覚ますと、祖母はもう朝食を作り終えていた。

本来なら花音が祖母の世話をするはずだったのに、妊娠が分かってからというもの、祖母は一切手を出させ...

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