第382章 君たちに期待すべきではなかった

救命救急センターのランプは、ずっと点いたままだった。

一条裕也が記者会見の後始末を終え、駆けつけてきてもなお、扉の向こうからは何の知らせもない。

廊下にいる全員の心臓が、宙づりにされたみたいに落ち着かなかった。

一条奥さんは夫の胸に縋り、声を殺してすすり泣いている。

一条裕也は救命救急センターの表示灯を見て、それから隣の桐島征十郎へ視線を移した。顔は雲をかぶったように暗い。

両親にはまだ知らせていない。しかも藤咲花音の腹には、子どもがいる。中にあるのは、一つの命だけじゃない――。

「まだ出てこないのかよ……。お前のところの主治医、ほんとに大丈夫なのか?」

苛立ちが滲む声だった。...

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