第387章 家族

病院の上階。

桐島征十郎は病室の前で足止めを食らっていた。

室内では、祖母の顔色が鉄のように青い。

石野幸治がその腕を支え、ソファへ座らせた。

「また、あの人を入れてやれって言うつもり?」

彼が口を開く前に、祖母はすでに読み切っていた。

石野幸治は静かに言う。

「桐島社長が、先輩の治療のために医師を手配したそうです」

祖母はベッドの上の孫娘に目をやり、歯噛みする。

「あれは当然よ。カノンのお腹には、あの人の子がいるんだから!」

石野幸治は唇を開きかけた。

けれど、続く言葉が喉で止まる。

昏睡していたって、藤咲花音は桐島征十郎に会いたいはずだ。

そう言いたかった。だが...

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