第400章 結婚式

桐島の祖父は桐島征十郎に連れて行かれ、一条夫人も祖母も、ひとまず胸を撫で下ろした。

それから数日後、藤咲花音の傷はすっかり癒えた。

退院の日、迎えに来たのは一条裕也だけだった。

来たのが彼だと分かった瞬間、花音の瞳に、ほんのわずかな落胆が滲む。

「何だよ。俺が来たら嬉しくないって顔だな?」

裕也は分かっていてわざと聞いた。

花音はぎこちなく笑ってみせる。

「ううん、そうじゃなくて……」

数秒、迷ってから――口にした。

「……征十郎さんは?」

「誰の話?」

裕也はとぼけてみせる。

花音が唇を結び、じっと見返すと、裕也は「思い出した」みたいな顔を作った。

「ああ、あいつ...

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