第41章 こんなに早く、彼と仲直りした

ホテルのエントランス。

桐島征十郎は、一条家の面々と共に歩いていた。

桐島家と一条家は旧知の仲であり、愛莉の両親の前では彼も幾分リラックスした様子を見せている。黒いシャツの襟元を少し寛げ、上着は無造作に腕に掛けていた。

愛莉の母の隣には、一条愛莉が寄り添っている。

母親は娘の腕を軽く叩き、桐島征十郎に向かって言った。

「先ほどの縁談の話、貴方は気にしなくていいのよ。おじさんがただ思い付きで口にしただけなのだから。そんな話がなくとも、両家の関係が変わることはないわ」

一条愛莉の瞳の奥に、不満の色が走った。

せっかく説得して、援護射撃のために来てもらったのに……まさかお母様が自分か...

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