第48章 彼女には知らせない

病院の入り口で、如月奈々は仲睦まじい二人の後ろ姿を見つめ、爪が掌に食い込むほど強く拳を握りしめた。

藤咲花音と桐島翔太が病室に入ると、祖母はテレビを見ていた。

二人を見て、祖母は安堵の笑みを浮かべる。

「仲直りしたのかい?」

前回、桐島翔太が一人で見舞いに来た際、二人が喧嘩していることを祖母はすでに見抜いていたのだ。

花音はすでに表情を整えていた。その言葉に微笑みかける。

「ええ、ちょっとした誤解があっただけで、もう解決しました」

祖母は次に翔太を見た。

翔太は持参した手土産の数々を枕元のテーブルに置いた。

「前回のことは僕が悪かったんです。花音にきっちり絞られましたよ。お...

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