第83章 寝言

桐島征十郎が鶴の一声を放った以上、登石課長は不安を抱えながらも異論を挟めるはずがなく、部下に命じて藤咲花音を壇上へと上がらせた。

会場のメディアはすでに準備万端だ。

彼女が姿を現すやいなや、無数のフラッシュが焚かれる。

同時に、台下からは疑念に満ちた視線が突き刺さった。

出席者の大半は、長年桐島グループと付き合いのあるパートナー企業や、同業界の最大手ばかり。桐島グループという巨艦を知り尽くした海千山千の古狸たちだ。

そこへ、無名の新社員である藤咲花音が現れたのだから、彼らを納得させるのは容易ではない。

簡単な挨拶を終えるか終えないかのうちに、招待客の一人が声を上げた。

「君のこ...

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