第114章

佐々木晶斗は結局、部屋を出るしかなかった。だが、山下麻友を解放したわけではない。単に、今すぐ治療を受けなければ、失血死するかもしれないという恐怖に駆られたからだ。

彼は大量に出血しており、手当にあたった医師も驚きの表情を隠せなかった。

「傷がかなり深いです。縫合が必要かと」

佐々木晶斗が持ち込んだスタンドライトには、無数のメレダイヤが散りばめられていた。それが皮膚を切り裂くことなど造作もない。彼は今さらながら、あんな悪趣味なスタンドライトを買うべきではなかったと後悔し始めていた。

「縫え」

彼は短く命じると、すぐに不安げに警備員へ視線を向けた。

「おい、しっかり見張っていろ。絶対...

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