第115章

目覚めたばかりの山下麻友は、まだ意識が朦朧としていた。

中島渉の声が鼓膜を震わせているのはわかるのだが、その意味が頭に入ってこない。

理性が徐々に戻ってくるのを待って、彼女は中島の言葉を遮った。

「中島先生、少し痛みます。痛み止めを処方していただけませんか」

「捻挫の痛みは避けられないよ。外傷もあるけれど、幸いどれも軽傷だ。僕としては、あまり鎮痛剤に頼りすぎるのはお勧めしないかな……」

薬も過ぎれば毒となる。たとえ痛み止めであっても、過剰摂取は体に良くない。

山口洸人が彼を冷ややかに一瞥した。

「先に出ていろ」

中島渉は彼の気性を熟知しているため、無駄な口論は避けたかった。だ...

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