第150章

橋本美波はふっと笑みをこぼした。

「山下麻友、あなたがこれほど薄情な人だとは思わなかったわ」

薄情……。

まさかこの言葉が自分に向けられる日が来るとは、山下麻友は夢にも思わなかった。

この結婚生活において、最も薄情なのは間違いなく山口洸人の方だというのに。

だが、今の彼女には橋本美波と言い争う気力さえ残っていなかった。

「そうね。私が薄情だと思ってくれていいわ」

……

橋本美波が病室に戻ると、山口洸人の顔色は先ほどよりもさらに悪化していた。彼女は思わず心配そうに声をかけた。

「そんなに辛いなら、やっぱり病院へ行きましょう」

「必要ない」

胃の中が焼けるように熱く、絞られ...

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