第157章

山下麻友は彼女を横目で一瞥した。

「いけない?」

もしライブ配信中だとしたら、先ほどの二人のやり取りがすべて放送されてしまったのではないか。橋本美波は僅かに顔を曇らせたが、カメラがある手前、怒りを爆発させることはなかった。

「あんな大ごとが起きたのに、ライブ配信なんてしている暇があるなら、すぐに警察を呼ぶべきよ。あなたにとって、有名になることがそんなに大切なの?」

呆れた責任転嫁だ。

山下麻友は怒りを通り越して笑ってしまった。この橋本美波の頭の回転の速さには感心するほかない。見殺しにして名声を得ようとした冷酷な人間というレッテルを、瞬時にこちらへ貼り付けてきたのだから。

「あなた...

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