第174章

山下麻友は慌てて病室に飛び込んだ。小林の母がベッドの脇に立ち、怒りを露わにしている。一方、ベッドの上に半ばうつ伏せになった小林柚奈は、信じられないものを見るような、恨みがましい目で母親を睨みつけていた。

「今すぐ出て行って!」

小林柚奈は震える指でドアを指差した。

山下麻友は駆け寄り、小林柚奈の手を握ると、冷ややかな視線を小林の母に向けた。

「柚奈が出て行けと言っているのが聞こえませんか?」

小林の母も顔をこわばらせ、呆れたように鼻で笑った。

「なんで私が出て行かなきゃならないの? ベッドで寝ているのは私の娘よ。私がここで看病して何が悪いの。それよりあなたこそ、自分の用事はないの...

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