第39章

「たとえ恨みだとしても――それは、君が背負うべきものだ」

山口洸人は、一言一言かみしめるように言い切った。

その瞳の奥に渦巻く感情は複雑で、山下麻友には読み取れない。ただ息が詰まり、胸が苦しくなるだけだった。

「……じゃあ、この五年ずっと。私に復讐してたってこと?」

「復讐?」

山口洸人は麻友の顎を持ち上げ、雪のように白い顔を覗き込む。低く艶のある声。そのくせ、吐き捨てる言葉だけが刃物みたいに刺さった。

「五年、飼ってやった。弟の学費も出した。お父さんだって、金のかかるICUに入れてやった。それでも足りないのか? どうして満足できない」

「……私、働くって言った。別に、養ってほ...

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