第41章

「考えさせてください」

「もちろんだ。時間はやる。1日だ。決めたら電話しろ」

佐々木晶斗は自分の名刺を彼女に差し出した。

山下麻友はそれを受け取り、ポケットにしまうと、オフィスを後にした。

この件を知った松本綾乃は、電話口で怒りを爆発させた。

「……それで、あの女をこのまま野放しにするの?」

麻友は淡々と返す。

「野放しにしなかったところで、どうなるの」

最初に通報した時点で、彼女は腹を括っていた。佐々木陽奈が背負うのはせいぜい名誉毀損と中傷の類。数日拘束され、痛い目を見れば十分だ。それで掲示板にばら撒かれた汚名も、ある程度は払拭できる――それが現実的に望める最良の着地点。

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