第42章

山口洸人はソファに腰を落とし、どこまでも悠然とした姿勢を崩さない。底の見えない瞳が一周すると、視線を受けた者たちは一斉に顔を伏せ、誰ひとりとして目を合わせようとしなかった。

「ずいぶん余裕そうだな」

山口洸人が小さく息を吐く。

佐々木晶斗はごくりと唾を飲み込んだ。これは穏やかな来訪じゃない。必死に笑みを貼りつける。

「山口社長、いらっしゃるなら先に一本くだされば、外までお迎えに出たのに……。せっかくですし、よかったら一緒に遊びましょうよ。おい、山口社長の気分が上がるように、可愛い子を何人か呼べ」

すぐに誰かが電話をかけようとする。

山口洸人は何も言わない。佐々木晶斗は自分からグラ...

ログインして続きを読む