第66章

ライブ配信はまだ続いていたが、カメラの前に座る山下麻友の表情からは、先ほどまでの緊張が薄らいでいた。この勝利が、彼女にささやかな自信をもたらしたのだろう。

松本綾乃は山下麻友の肩を抱き寄せ、誇らしげな満面の笑みを浮かべた。

「麻友が一番すごいって、わかってたもん」

『最高、最高』

『最高の友達』

美しさの方向性が異なる二人の少女が並んで座る様は、実に目に快い光景だった。

『蛍の光、なんか歌ってよ』

『俺たち、随分と歌声を聞いてないぞ』

松本綾乃も同調した。

「そうね、私も麻友の歌、随分聞いてないし。この機会に一曲どう? 勝利のお祝いに」

山下麻友は沈黙を守った。

『一曲...

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