第74章

その道のりは、あまりにも長すぎた。

山下麻友は、自分がこれほど長く走り続けられるとは夢にも思わなかった。まるで一世紀もの時間を駆け抜けたかのような錯覚の果てに、ようやくまともな道路が視界に入ったのだ。

時刻はすでに夜の帳が下りようとしており、道路は不気味なほど静まり返っていた。行き交う車など、一台もない。

だが、座して死を待つわけにはいかない。阿部美奈が待っているのだ。

麻友はふらつく足で道路に沿って歩き出した。この道がどこへ続くのか、終わりまでどれほどあるのかも分からない。ただ、立ち止まることだけは許されなかった。

『阿部美奈、待っていて』

闇は深さを増していく。その暗闇を切り...

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