第88章

「誰と会おうが、私の自由です」

山口洸人は怒りのあまり、乾いた笑い声を上げた。

「山下麻友、俺に嫁いだ日から、お前に自由などない」

「私はあなたに嫁いだのです。売られたわけではありません」

彼女は一歩も引かなかった。

その一言一句が、男の理性を削り取っていく。

山口洸人は奥歯を噛み締め、彼女の耳元で低い唸り声を上げた。

「時々、お前を噛み殺してやりたくなる」

「あな……」

山下麻友が言い返す間もなく、首筋に鋭い痛みが走った。

本当に噛んだのだ!

山下麻友の胸の内で、業火のような怒りが燃え上がった。

故意に監禁し、監視をつけ、佐々木陽奈への報復を阻止し、あまつさえ阿部雄...

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