第5章
「母さんがホールで待ってる。行こう」
月城柊が私に手を差し伸べる。
私がそれに応えようとした瞬間、聞き覚えのある声が響いた。
「柊君、ずっと探してたんだよ」
藤井絵が突然現れ、親しげに月城柊の腕に絡みついた。顔のガーゼはもう取れており、薄い傷跡が残っているだけだったが、化粧は完璧で、むしろ輝いて見えるほどだ。
私はその光景に驚きを隠せない。
彼女がここに現れたということは、月城家はもう彼女を認めたということだろうか?
それもそうか。もし本当に妊娠しているのなら、月城家はその孫を喜んで受け入れるだろう。
「凛、誤解しないでくれ」
月城柊は絡みつかれた腕を振りほど...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
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9. 第9章
10. 第10章
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