第6章

 私は黙っていた。冷酷な鎧を剥ぎ取られ、むき出しの不安とパニックの淵に沈む彼の目を見つめていると、どんな言葉も虚しく響くだけだとわかった。

 代わりに、私は病院のベッドの端に腰掛け、手を伸ばして彼の脚を覆っていたカシミアのブランケットをそっと持ち上げた。

 指先で彼の太ももの硬い線をなぞり、膝のところで止めた。そこには、赤黒く盛り上がったギザギザの傷跡が皮膚を歪ませていた。

 酷い傷だった。三年経った今でも、それを見るたびに息ができないほど胸が締め付けられる。

 私の意識は一瞬にして過去へと引き戻された。

 ヴァンチェッティ家の晩餐会の夜。

 三年前、私の婚約者であり、今まさにゴ...

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