第7章

 マルコは、すでに酷く腫れ上がり始めた顔を押さえた。幽霊でも見たかのように、両目を限界までひん剥いている。

 土下座や謝罪など思い至るはずもない。自分がなぜ床に転がっているのかさえ、彼はまだ理解できていなかったのだ。まず衝撃が走り、次いで激怒が沸き起こった。血の混じった唾液を、絨毯の上にペッと吐き捨てる。

「親父! 頭でも狂ったのかよ!?」

 口内に血が溜まっているせいで酷くくぐもった声だったが、甘やかされて育った彼特有の傲慢な怒りの炎が消えることはなかった。「俺はマルコだぞ! あんたの実の息子だ! この女のために俺を殴ったのか!? こんなゴミ屑のために!? ドブから這い出してきたよう...

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