第11章

周防律の一言が、案の定、場の空気をざわつかせた。

「え、なにそれ……? AI技術交流会に、転職活動しに来たってこと?」

隣で誰かが声を上げる。

「元の社長に現場でバレるとか、さすがに気まずいだろ」

夏目南は、目の前の男を静かに見つめていた。

――この人は、あの高嶺の花のために、どこまでやるつもりなんだろう。自分を傷つけてでも、彼女だけを「特別」にしたいの?

朝日知也が迷いなく一歩前に出て、笑みを崩さず周防律に向ける。

「それは後輩が気の毒ですよ、周防さん。引き抜きは俺の落ち度です。でも、この業界はそういうものじゃないですか。腕の立つ人材を、どの会社だって欲しがる」

周防律の冷...

ログインして続きを読む