第20章

マンションに戻った頃には、もうすっかり遅かった。夏目南は乱暴にバッグをソファへ放り投げる。

こめかみから、馴染みのある刺すような痛みがじわりと広がった。

夏目南はもう痛みと張り合わない。バッグの中を探り、薬をつまみ出すと、ためらいなく飲み下した。

この身体が、少しずつ――最後通牒を突きつけてきている。そんなこと、最近は嫌というほど分かる。

それでも、まだ止まれない。

再び目を開けたとき、表情はいつもの冷ややかさに戻っていた。

スマホを取り出し、周防律に電話してちゃんと話そうとする。会うたびにケンカなんて、もううんざりだ。指でロックを解除したところで、ふと思い出す。

――もう、ブ...

ログインして続きを読む