第35章

鈴木様がチームを率いて視察に来られる件について、星辰グループは相当に力を入れていた。

夏目南は、説明すべき内容をすでに頭に叩き込んでいる。けれど会社の正面玄関で、出迎えの車が到着するのを待っているあいだ、胸の奥は落ち着かなかった。

車が門前へ近づいたころ、朝日知也のスマホが震えた。受付担当からの連絡だ。

鈴木様のそばに、急きょ随行の交流要員が一人増えた――。

詳細を聞き返す間もなく、車はすうっと減速し、そのまま静かに停まった。

朝日知也は開発チームを引き連れ、前へ出る。自らドアに手をかけ、丁寧に開けた。

そして、最初に降りてきた人物を見て、空気が一瞬だけ止まった。

江村茜。

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