第39章

周防律は片目に黒々とした隈を作ったまま、会社に現れた。

昨夜はろくに眠れなかった。うとうとしたかと思えば目が覚め、また落ちる。そのたびに夢を見る。夢の中で夏目南は彼と激しく言い争い、泣きながら離婚すると叫ぶ。かと思えば、二人は相変わらず穏やかで――出勤前に彼の分の弁当まで用意して、黙って車に置いてくれる。服は全部コーディネートされ、皺ひとつないようにアイロンがけされて吊るしてある。夜更かしはしないで、早く休んで。そう言い聞かせる声まで、やけに鮮明だった。

だが、目を開ければ。いい夢も悪い夢も、跡形もなく消えていた。

外の執務スペースに出ると、書類棚の前に立つ。――なぜ今まで、夏目南から...

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