第47章

医師から電話がかかってきたのは、彼女がちょうどマンションの階段を下り、タクシーを拾って出勤しようとしていた時だった。

「夏目さん、できれば今すぐ一度、病院へ来てください」

ひどく真面目な口調だった。その一言で、夏目南の胸がどくりと鳴る。嫌でも、最悪のほうへ考えが傾いた。

「……び、病状が悪化したんですか?」

覚悟はしていた。していたはずなのに、いざこうして突きつけられそうになると、指先まで震えてしまう。怖くてたまらない。

医師は少し言い淀んだ。

「来てから直接お話しします。それと今回は、必ずご家族も一緒に連れてきてください。あなた一人ではなく、決断を支えてくれる人が必要です。もう...

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