第58章

食卓の上。夏目南の前には、手間をかけて調理された海鮮料理がずらりと並んでいる。

一方、周防律の前に置かれていたのは――どん、と大きな鉢に入った「スープ」だった。

スープ自体は見た目だけなら問題ない。問題があるのは、その鉢の中身で。

丸ごとの大王八が一匹、どっしり鎮座していて、周囲には枸杞が赤い輪になってぷかぷか浮いている。

祖父が人に言いつけて、小さな盅にそれをよそわせると、いかにも言い聞かせるように律を見た。

「これはお前のために作らせたんだ。しっかり滋養をつけなさい」

周防律の顔色が、じわっと暗くなる。

目の前の鉢、それから夏目南のほうへ視線をやり、もう一度、祖父に確認する...

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