第65章

一つ星会社の立ち上げは、ひどく静かだった。テープカットも、記者会見もない。ただ、二社が夜通しで機材を運び込み、いつの間にか「できていた」。

各部門の体制は大半が据え置きで、要所となるいくつかの部署にだけ人員を差し替え、ひとまずの均衡を作った――そんな形だ。

夏目南は研究チームを率い、一つ星会社の研究棟へ正式に入った。

高市明里が思わず声を漏らす。

「この研究棟、けっこう立派じゃん。うちの会社に負けてないよね。これで、あのクソみたいに重い機械のカクつきに悩まされなくて済むわ」

江村茜は夏目南へ視線を向け、きちんと整えた笑みを浮かべた。

「班長、作業の割り振りは前と同じで進めますか?...

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