第67章

周防律は夏目南の背を最速で追い、彼女が何の躊躇もなく斜面へ滑り降りようとした瞬間、慌てて腕を掴んで引き戻した。荒い息のまま、叩きつけるように怒鳴る。

「正気か! そんな降り方したら、どうやって上がるんだよ! 一発で川に落ちるのが怖くないのか!」

そこは最後の急斜面だった。石を敷き詰めた道で、普段なら慎重に足を運べば下りられる。だが今は積雪で覆われ、足を滑らせたらそのまま身体ごと川へ放り込まれる。

夏目南の顔色は最悪だった。眉間をきつく寄せ、目尻を赤くして周防律を見上げる。

「そうだよ。だから怖いの。お爺さんが、滑って川に落ちたらって……!」

周防律は彼女の手を強く握ったまま、遠方か...

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