第5章

リリー視点

 周囲がどっと笑いに包まれた。

 私はコートの中央へ歩み出る。

「私に合わせて」

 クロエが見本を見せる――ハイキック、スプリット、バックハンドスプリング。

 どれも難度の高い動き。前世の私は最初の一歩すら踏めなかった。脚を半分も上げないうちに転んで、体育館中の笑い者になった。

 音楽が流れ出す。

 私は深く息を吸う。

 ハイキック。脚が真っすぐ頭上まで伸びる。

 一秒、空気が凍った。

 スプリット。床へ綺麗に落ちる。教科書みたいに正確。

 バックハンドスプリング。三回連続。全部、ぴたりと止めた。

 次の瞬間、体育館が悲鳴みたいな歓声で揺れた。

「うそで...

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