第6章

リリー視点

「……うわ、ミラー」

 バーカウンターの端にいたカーターが、私を頭のてっぺんからつま先までなめるように見て、口笛を吹く。

「今夜、反則だろ。クソ熱い」

 深いVネックのボルドーのベルベットミニを着て、私はパーティー会場へ踏み込んだ。爆音が壁を震わせ、フロアの空気が一瞬止まる。視線が、いっせいに刺さった。

「え、あれリリー・ミラーじゃない?」

「いつからあんな……」

「ヴィンセント、目ついてんのかよ」

 前世、ただ一人で抗い続けた末に待っていたのは、クロエに踏み潰される結末だった。だから今世は違う。人脈を作る。味方を増やす。全員に見せつける――私はもう、縮こまって命...

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