第9章

リリー視点

 私はすぐ両親に電話をかけた。――出ない。

「……くそっ」

 上着を引っ掴んで寮を飛び出し、震える指で一番早い便の航空券を押さえる。

 スマホがまた震えた。

 知らない番号。添付された新しい写真――うちの玄関だ。撮影角度は道路の向かい側。

「時間ないよ、リリー。急いで。あと、警察に言ったら――」

 心臓が喉までせり上がる。

 そこへカーターから着信。

「リリー、ニュース見た。クロエ――」

「両親が危ない」

 私は遮った。声が震える。

「脅してきた。傷つけるって」

「は?」

 カーターが息を呑む。

「今どこだ」

「寮の前。いちばん早い便を――」

「...

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