第10章 君たちの望みをかなえてやる

話し終えた瞬間、個室は息が詰まるほどの静けさに包まれた。

中島留奈は口を開けたまま、閉じるのを忘れている。

江口千加と林谷由美は顔を見合わせ、どう言葉を継げばいいのか分からない。中島晴美の泣き声だけが数秒、ぴたりと止まり――勝ち誇ったような視線が、ちらりと雪乃へ向けられた。

萌花の声が、まだ空気の中で反響している。

「病気で死ぬのが、ママだったらよかったのに」

小さな顔を上げた瞳は、あまりに無邪気だった。まるで本気で考えた末に口にしたみたいに。

自分が何を言ったのか、萌花には分かっていない。ただ、晴美おばさんが泣いたのが見えて――晴美おばさんを喜ばせたかっただけだ。

いまの萌花...

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