第101章 濡れ衣

「よく考えてくださいよ……! 濡れ衣なんて、そんなのひどすぎます!」

加藤が半ば泣きわめくように訴える声を、隣の部屋にいる今野優空は一言一句聞き逃さずにいた。顔色は凍りついたように暗く、全身から立ちのぼる重苦しい気配が、部屋の空気ごと凍らせてしまいそうだった。

彼はふと視線を落とし、ベッドに横たわる雪乃を見た。

紙のように白い顔色。さっきまできちんと着ていた服も、彼が腰を抱いて運んできたせいで大きく乱れ、あちこちに深い皺が寄っている。

そこへ医者が駆けつけ、目の前の惨状を見た瞬間、息をのんだ。

「これは……! 破傷風には十分注意しないと。感染したら、最悪の場合は切断ということもあり...

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