第105章 追及しない

今野爺さんはその言葉に激昂し、あやうく卒倒しかけた。今野優空を鬼の形相で睨みつけ、歯ぎしりするように吐き捨てる。

「お前が片をつける? 何をどう片づけるってんだ。せいぜい、あいつを俺の目の前に出さねえ程度だろうが。いいか、今日は雪乃のためだ。俺が直々に中島晴美を始末しに行く!」

今野優空は慌てて前へ出て、祖父の杖を押さえた。怒りの勢いで体を壊されでもしたらたまらない。

「おじいちゃん、落ち着いて。晴美はもう長くないんだ。俺たちにはこれからがある。だから、あいつのことで――」

語尾には、かすかな懇願が滲んでいた。

優空は本気でそう思っている。中島晴美の余命は残り少ない。確かに彼女のせ...

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