第11章 気持ち悪くないのか?

萌花は、雪乃の見慣れない態度を見つめながら、胸の奥にいろいろな感情が渦巻くのを感じていた。

まだ幼い心には、それが何なのか分からない。ただ、本能的に呼び止めたくなる。

「ママ……」

一歩踏み出しかけたところで、中島留奈に腕をつかまれた。

「萌花、行っちゃだめ」留奈はしゃがみ込み、にこにこと覗き込む。「ママはね、演技してるの。これ、いわゆる『一歩退いて二歩進む』ってやつ。分かる?」

萌花はぱちぱちと瞬きをした。分からない。

「つまりね、怒って出ていくフリして、心の中では追いかけてほしくてたまらないってこと」留奈は萌花の頬をつまむ。「追えば追うほど調子に乗るの。放っておけば、そのうち...

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