第116章 哀れ

「私、もともと残された時間が多くないの。だから……あなたはご家族のそばにいて。私なんかに時間も気持ちも全部使って、無駄にしないで。長いこと振り回してしまって……ごめんなさい」

「心配するな。雪乃とおじいちゃんには、ちゃんと俺が話す。萌花のことも――」

萌花の名が出た瞬間、中島晴美の目がふっと陰った。瞳の奥の水気が、いっそう濃くなる。

「萌花はまだ小さいの。私も、軽い気持ちで言った一言が、あの子にあんなことをさせるなんて思わなくて……優空、萌花を責めないで。責めるなら、私を責めて」

一言一言が生々しいほど真に迫っていた。晴美はほとんど泣きながら、喉を詰まらせて言い切る。今野優空の胸がき...

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