第118章 恨みを抱く

間もなく、今野優空の腕の中に横たわっていた彼女が、ようやく大きく息を吸い込み始めた。顔色はまだ青白いままだったが、さっきまでの「今にも消えそうな惨状」からは、いくらか持ち直している。

雪乃の額に冷たい汗がにじむ。ベッドの縁に手をつき、ゆっくりと身体を起こした瞬間、遅れて傷口の痛みがどっと押し寄せた。

――裂けた。

確信があった。鈍い痛みが足首からふくらはぎへ、じわじわと這い上がり、やがて全身を覆っていく。

雪乃は思わず、喉の奥で小さくうめいた。痛みに耐えきれず、漏れた声だった。

その声に反応して、今野優空がこちらを見た。

瞳には、刺すような冷たさ。さらに、押し寄せるような失望。

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